GVIDOの譜めくり

 とても面白い議論が展開されている記事だと思いました。

電子書籍アプリのページめくりエフェクトって必要?

 この記事の中でも書かれていますが、”本のレイアウト”で、内容を覚えていたりするケースもあったりと。楽譜の場合、それの最たるもののような気がします。

 日頃仕事の中で楽譜の浄書を行うのですが、演奏に使える楽譜の最低限の条件として、”譜めくりをしても音楽が止まらないレイアウト”が大事になります。ピアノ曲などではその願いがどうしても叶わない場合も少なくありませんが…。要は見開き2ページの世界の中で、まずは右ページ下部にどれだけ気を使えるかと言うものです。
 こんな必要性もあって、楽譜のレイアウトは曲によって答えがおおよそ決まってきます。ページを開いたときの楽譜の風景が決まってくる、とも言えますね。
 演奏中はあらゆる感覚が研ぎ澄まされた状況です。”ページをめくる所作”も含めて、体に音楽として取り込んでいる人も多いです。普通の本読みだと、この記事のようにエフェクトの必要性を疑う事も起こりえるでしょうが、楽譜の場合は何らかのエフェクトが必ずあってほしいものです。人によっては”捲った”と言う事で音楽が進んでいることを体感しながら演奏をしています。

 2019年時点で発表されているGVIDOの現行機の譜めくりを見ると、ページめくりの度に音楽が一時停止しそうな印象は否めません。ただ、面白いのはこれが”ページめくり→データの読み出しが遅い”わけでもないと言う事です。物質が動いたわけでもないのに内容が書き換えられている現象が、演奏中の感覚としては”新しい”ので、まだそれに慣れない内は、この違和感と戦うことになると思います。
 細かいことを言うと、紙のページをめくる際は次の見開きの一部が、一瞬のこととは言え少しずつ視界に入ります。これも実際のところ重要で、もうその時点で音楽の次のシーンの記憶が呼び出され、演奏が続行されます。
 結果、現状のGVIDOではこのような”記憶の連鎖”が断ち切られるので、”譜めくりが遅い”と言う印象に至るのですが、それを打開する方法として盛り込まれているのか、”先読み機能”と言う特殊なページめくりの動作をするようになっています。ただこれ、すっごい懐かしい機能のような気がするのですが、一体どこで見たものなのか思い出せません。あったとしても多分大昔🤔自分の記憶が断ち切られている。
 本体性能というより”今の電子ペーパー”である以上、この課題は難しそうですね(映像ソースを工夫すると、こんな事も出来るっぽいですが)。iPad上で動作するpiaScoreなどは、譜めくりの際にどのようなアニメーション表示をするかを選べるまでになっています。”譜めくりの感覚”に対しては、全く問題ありません。
 しかし、GVIDOが2画面である事。これは他にない良い点。しかもそれが電子ペーパー。私の場合は演奏時の”集中力”が変わりました。決して譜めくりに対してシビアになっているわけではありません😋発光しているディスプレイの場合って、どうしても気が散るんです。不思議。
 ちょうど何かのテレビ番組で「人は発光しているものを見ているときは受動的に捉え、反射光(普段見ているもの)を見ているときは能動的に捉えている」という話をしていて、関係があるのかも?と思いました。理屈はさておき、見やすいことに変わりはありません。今後の進化に期待。