ステキな人

僕はあえて「素敵」と漢字では書きませんよ
もともと素敵って言うのは 逆の意味なんだそうです
目の敵にしている相手に言う言葉
だから 今ではいい意味なのに 
「敵」なんていう字が入ってる
僕はですね 僕がステキだと思う人に 
「敵」なんて言う字は使いたくないので
漢字では書きませんよ 
誰が何と言おうと書きませんよ 
 
そのステキな人なんですが
飼っている手のひらサイズの松下さんが
体調を崩したので
コレはどうした事かと僕に相談してきました
医学知識が豊富な僕は アドバイスをしてあげました
きっと松下さんは白内障だ と
それを信じたステキはな人は
早速目の中の白内障を ハケで取ってあげました
するとどうした事でしょう
松下さんは元気になりました
あんなに 字が読めねぇ 字が読めねぇ 
うひぃ~ん ういうい
と言っていた 松下さんがですよ!
コレには僕も感動しました
松下さんは 今日もいい声で歌を歌います
ああ なんて心に響く声なのでしょう!
 
そんな 奇跡が起きた日から1ヶ月
松下さんは死んでしまいました
ステキな人は 床に額をなすり付けて
ららららら……と 泣きじゃくりました
僕は 今まで誰かが死んで涙を流したことは
ありませんでしたけれど
本当は心臓の中で涙を流していたのです
もう 松下さんの歌声は聞けない
笑顔も見られない
松下さんは ステキな人の手の中で
静かに息を引き取ったそうです
その顔は 笑顔に溢れていました
松下さんも 短い間だったけれど
こんなステキな人のために 歌い続けてきたのだから
幸せだったに違いありません
 
松下さんを思いながらも
ステキな人には 
手のひらサイズの人が居ないと困ってしまいます
僕は ポータブル人間の種類について 
ステキな人に教えてあげました
でも
ポータブルってよく言うけど何?
と言われたときは
ココまでステキな人だったとは思いませんでした!
僕は喜んで 手のひらサイズの人々は 
実はポータブル人間なのだよ
と言う事実を ステキな人に打ち明けました
今ステキな人の手の中には
目の付け所のいいポータブル人間が居ます
この 目の付け所のいいポータブル人間は
ありのままの事を 全て伝えるのが特徴です
 
先日
僕はステキな人に 今まで御世話になったお礼をしに
赤い魚の鱗で出来た絵をあげました
その絵には 材料に
「鱗」
と 書かれているのですが
コレ何て読むの といわれた時には
もう僕は どんなに 
このステキな人に惹かれたことか!
僕はもっと
あなたのそういう 純粋なところを見たいです
今まで このようなステキな人には 
出逢った事がありません
それは偶然
三角形の女が 餅を食べる女からとばっちりを喰らい
世紀の偉大なるおじさんを排除した
この地球始まって以来の 大惨事に見舞われた事から
全てが始まったのです
 
さて
今度はステキな人に
重たい石を 持って行って上げましょう