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僕の部屋に 煌ける豚が住み着いてしまった
あんなに辞めろと言ったのに

「俺は絶対、干草なんか食べない!」

そう豚が決意したからだ
豚は持ち前の煌きで、僕の枕元から全速力で走り出し
やっとの事で肘の直ぐ傍を走っている
ぶーぶー文句を言うのは、さすが彼の魅力だ

「この部屋には、うまいモノが一つも落ちていない!牧場にいる頃は、あんなに食料に困らなかったのに!」

豚は壁中に湿った鼻を押し付けている
調べた証拠を残すためだ
物覚えが悪い煌ける豚は 宿敵として自分の20倍はあるであろう 犬をいつも目標に頑張っている

「負けない…負けない…!ココは俺の縄張りなんだ!」

そういって犬の頭の上に 豚はマーキングを始めた
豚にしては なかなか上出来であった
だけどそのままだと マーキングに使用した際のものが
犬の目に入って ついでに臭いので
僕は豚の首の後ろをつかんで壁に投げつけた

「そうだ!俺はこのときを待って居たんだ!」

ただでさえ眩しい光を放っている豚が
更に輝きを増した

いつか あの犬を負かしてやろうと
豚はソーセージの製作に追われていた
このままでは この冬を無駄に過ごすと考えたからだ
受話器を前にして 求人広告を眺める
広告用紙は豚にとってとても大きいので
僕は広告を広げたまま 豚が読み終わるまで待っている

「よし、この肉にする。お前、受話器を取れ」

僕は彼の顔の2倍はあるであろう受話器を差し出した
そして豚は 全身の力を込めて ダイヤルをするのである
ただし 豚は最後の2桁寸前でダイヤルを辞めた
その目には溢れんばかりの涙が

「どうせ、こんな小さい豚!雇ってくれないさ!」

そんな事を言うもので、僕は思いっきり豚の頬をひっぱたいてやった。

「このままじゃ、皆飢え死にだ!お前がソーセージを作らないで、誰が作るんだ!」

すっかり消えそうになっていた煌きを取り戻した豚は
2ヶ月ほど家を出たまま未だに音信が無い
犬は豚が残していった手帳を眺めて呟いた

「こうなる事を、あいつは分かってたんだな…」

手帳に記された バーゲンセールの行われる日が 鼻の跡で滲んでいた

インターホンが鳴る
そこには映っていない

よく見たら目映いばかりの光が映し出されていた
光の中から豚がやってきて言う

「やっとわかった!おれはこのままでいいんだ!」

そういって豚は犬の口の中に飛び込んで行った
犬はまた今日から食生活を改善しなければならない日がつづく

「こんな奴でも、いないと案外寂しいもんなんだよ。」

そうして犬は
いつもよりヘルシーなドッグフードを指差した

豚は犬の中で安心して寝ている

おじさんは今日も甲殻類と遊んでいます
新しい甲殻類と出会ったので 心底嬉しいのです
そんなおじさんは周りの人から色んな目で見られます
この前 隣の隣の村の若者と 砂糖の取り合いで喧嘩になる寸前でした
ただその砂糖は 誰のものになる事も無く
今現在まだほったらかしにされています
あまり美味しい砂糖ではないと 両者思ったようですが

「あのオヤジ!あの砂糖を狙ってやがる!気に食わないんだよな!」

その日から若者は おじさんの事を嫌っています
毎日食べるガムの量が 日に日に増えていくので
田中さんも 井上さんもいい加減にしろといっているのに
若者はガムをたらふく食って死んでやると 冗談混じり 本音をぶちまかしたようにいいます
おじさんは実は若者が砂糖を前々から欲しがっていたのを知っていました
その上で おじさんはこっそり砂糖を舐めに 毎晩砂糖のある村まで通っていたそうです
今は渇いて分かりづらいですが 実はおじさんが唾を飛ばした箇所が砂糖にはあります
若者はそれを知らないようです
おじさんはそれなりに悩んではいたようで そういう時は 甲殻類に相談するのです

「俺は 綺麗な砂糖しか興味が無い ほら 俺は白いのが好きだから」

若干の黒砂糖も許せないおじさんは 100%上白糖ではない砂糖の山を
大分前に諦めましたが
若者の方といえば 若干その砂糖にこだわりがあるみたいです
若者は僕に言うんですがね

「あの砂糖は変だ 海のにおいがする」

確かに 僕もちょっとおかしな砂糖だなとそのとき思いましたが
そう言う若者もバネ工場を営んでいるので おかしいのはお互い様だと思います

丁度おじさんが 大きな羊羹と小さな羊羹で遊び終った後の話なんですが
僕は丁度南の島の海苔巻きの妖精と一緒にいました
おじさんは 何か問題が起こるたびに 僕に報告するのです

「この前 俺が集めていたビンのふたに 誰かがくず湯を入れていた。アレは駄目だ 甘すぎる 美味しいにも程がある! もうこうなったら俺は光合成するしか手が無いじゃないか!」

確かにおじさんの言う通りなのですが
僕はその前に おじさんが人のサンダルをよく履き間違える癖を直したほうがいいのになって思うのです

あ そうそう 話が飛んでしまいましたね
僕が南の島の海苔巻きの妖精と一緒に遊んでいるのに
おじさんは南の島の海苔巻きの妖精に こんどドネルケバブをごちそうしてやるって言ったんです
おじさんがドネルケバブをご馳走する時は ご馳走する相手と甲殻類を引き合わせる時です
こんなに腹が立った事が 今まで僕の人生の中であったでしょうか
今日 何事にもやる気の無いシマリスとテレパシーで会話をしていて
お前には いっぱいプラスチックがあるから どうにでもうまくやって行けるだろう と言われましたが
もちろんそれも相当腹の立つ事ですが そんな事はどうでもいいくらいです
僕が南の島の海苔巻きの妖精を気に入っているのを知っておきながら
おじさんはドネルケバブを南の島の海苔巻きの妖精にご馳走しようとするのです
あの若者が 砂糖をおじさんと取り合った時の気持ちがよく分かります
ただ 今回は時期が少し悪かったようで
おじさんの甲殻類が 新しい人にわたる事になってしまったのです
おじさんは甲殻類によく 大きな羊羹を預けていたのですが
もう預ける相手がいないので 涙を飲みながら大きな羊羹を食べていました

「せっかく 寝かせたのに せっかく寝かせたのに!!」

おじさんは 羊羹は寝かせれば美味しくなると思っていたようですが
それはある一定の期間の話で さすがに3年も寝かせていた羊羹は
いい色が出てきていて 騒音の原因になります
丁度言い頃なんじゃないかと 僕は思いましたけどね
甲殻類のほうといえば 3年近く羊羹を持っていたので
手はベトベトですし お陰で髭もまともに剃れない日々が続いていました
僕は 最初おじさんが甲殻類と別れる悲しみを ほんの少し分かち合っていましたが
今は早く別れろと思うばかりです
おじさんの勝手な思い過ごしで 甲殻類に南の島の海苔巻きの妖精が似合うと思っていたようですが
南の島の海苔巻きの妖精本人はどういうか分かりませんが
甲殻類は取り敢えず このベトベトを取りたいと願う方が先のようです

こうして今おじさんは新しい甲殻類と戯れています
僕は南の島の海苔巻きの妖精とあれ以来あまりあっていませんが
取り敢えず 今度は美味しいたくあんを持って行ってあげようかとは 思っています
おじさんは 今後何回サンダルを履き間違えるのかが問題ですが
取り敢えず 人に迷惑をかけないように 御願いしたいものです
若者は もの凄い喜んでいましたが
そこまで嫌っていたのかと思うと おじさんも憫れだなあと 多少思います
どうでもいい事ですが
僕は今から たくあんを作ろうかと思います

 

よくもまあ 見事に
此処まで肥えたものだと感心する
そんな体つきのハジメは ミカンをこよなく愛しているが
それを皆から言われるのは非常に嫌がるみたいだ
ハジメは日替わりで 羊を飼っていたが
面倒くさがりなので 羊が糞をしても片付けないし
もちろん 餌なんて決まった時間にあげた事などあっただろうか
そういう面倒な時には 音もなく姿を消すのが ハジメである
然し 羊飼いの長が来ると 決まって良い顔をする様になっている
まあハジメと言うやつは
レールを敷かれた人生の上で ヒョウヒョウと生きてきた人間なので
媚び諂うのが 三度の食事なのだ

ハジメは 歌う羊を何頭か任されていたが
その羊達が ハジメに餌をよこせだの何だの言って
一応ハジメも途中まで仕事はするのだが
また例のごとく 姿を消すのだ
これに呆れた歌う羊達は ハジメの言う事を聞き流すようにし
年に一度の大合唱では
ハジメの意見などこれっぽっちも取り入れないようにしていた
まあ羊達もハジメの扱い方は幾分知っているので
ヒョウヒョウとした表情をすれば良いと言う事を 代々新入りの羊に伝えていた

歌う羊達には一つ悩みがあった
ハジメが 何のために設けたのか知らないが
羊の歌い方に あれやこれやと制限を掛ける
まあそれが ハジメにとっては
自分の仕掛けた制限に従う羊を見て 如何にも自分が仕事をしている
と言う風に思っていたのだろう
羊は 鉄板の上で歌ってはいけないと言われていた
ハジメは 木の板の上でしか歌ってはならないというのだ
どう考えても 鉄板の上で歌った方が 良い歌になるのに
それは ハジメ以外の 他の羊飼いもそう言っていた
でも そこでハジメが鉄板の上で歌う事を許すと
自分の仕事をしている様を装う事が出来なくなり
羊飼いとしての地位が危うくなるので
意味の分からない制限をかけるのだ
ただ歌う羊の群れのリーダーは そんな事はおかしいと思い
年に一度の大合唱では ハジメの言う事など無視して 皆で鉄板の上で歌った
案の定ハジメは 目から血を吹き
ミカンを貪り食いながら怒り狂った

ただ 羊達の言い分としては
ハジメは 日ごろ仕事はしないし
ハジメは 面倒な事からは逃げるし
ハジメは わざと自分達を苦しめるし
ハジメは 終いには歌の事なんか何一つ分かっていないし
だって ハジメは息を吐けば 歌が歌えると思ってるのだから
これは笑える
どこまでハジメが 全く深みのない ぺらぺらのミカンなのかが よくわかる
そんなハジメが
羊達のオンステージの日に
あたかも 自分が 歌う羊達を管轄しているかのような面をして
羊が悪い事をしたかのように見せかけ 大声でミカンを食べながら叫ぶ
羊達にとって非常に不条理な 腹立たしい事としか言いようがない

歌う羊のリーダーは
今は成長して別の牧場に行ってしまったが
いつかハジメの居る牧場に顔を出さなければならない日が来るので
その時は ハジメの怠惰な行いを
羊飼いの前で演説するのだそうだ

そんなハジメは
今もヒョウヒョウと 羊を追い回している
食っては寝て 食っては寝て
更にハジメの体は 肥えてゆく

先日 何もやる気を起こさないシマリスが
僕にテレパシーしてきた際に
お前には沢山プラスチックがあるといっていました
僕はシマリスが こんなに失礼な事を言うやつだとは

まあ正直言うと 思っていましたがね

何せこのシマリスは
自分で海辺に文明を築き上げると言ったくせに
たまに帰省をした後海辺に戻ると
頬袋に溜めていた穀物を咽喉に痞える始末ですし
未だに シマリスの父親から乳離れしていないんです
このシマリスは生態もおかしいので
このようなことが起きるのですが
母親の事は完全に見下していますし
要するに このシマリスは
世界一甘いバターを舐めて生活してきたのです

そんなことをしていたので
シマリスは誰にでも可愛がって貰えるように
シマリスのくせに虎のように豆を潰しますし
化粧品の研究等をするのです
こんなに気持ちの悪いやつ!
そんなシマリスに
僕にプラスチックが沢山あるというのですよ

僕から言わせれば

プラスチックを駆使して
プレパラートの上で実験してきたシマリスには敵いませんね

言いたいところです

今度このシマリス
仲間を死ぬほど集めて
皆でパーマを掛けるから
僕に手伝えと言っていますが
ちょっと今考察中であります
そもそもこのシマリス
何事に対しても やる気がないので
自分で起こす イベントにもやる気がないのですから
なんでこんなシマリスを手伝わなければならないのか
更々可笑しいだけですね

ぶったまげた
彼は
ヒロシの行動は自分も共有すべきと思っている
そんなことだから 自分の世代で失敗するんですよ
家の男って言うのは 自分の世代から逃げてます
ああ あの臭いが 原因なんでしょうね
お婆さんは言います
「もう彼にお菓子を差し上げる事は無いわ」

僕も持っているのですが
蒔くと変な方向に芽が出る豆を
何年か前に お隣さんから貰ったのですが
コレがなかなか難しくてですね
ちょっとでも芽の先端を放っておくと
枯れるか
変な方向に伸びるのですよ
つい最近
芸術的にこの豆を育てている人を見つけて
うっひゃぁと
開いた口が塞がらない状態の日々が続いたのですが
何か日に日に彼の豆から伸びた蔓を見ていると
何とも 不細工に見えてきたのです
僕は最初 彼の豆が凄い凄いと
沢山の人に言いふらして歩いたのですが
僕が彼の豆に違和感を覚えたときには
既に周りの人も飽きていたようでした
僕は豆を褒め称えてしまった関係で
彼とは嫌々ながらも豆について
語らなければならない日々を送っています
そんなこんなですが
僕の豆といえば 先端が危ういものばかりで
いつ腐り落ちるか心配です
なかにはピーピー音が出たり
しょっちゅう変な煙が出ているのもあるのですが
まあ豆もこまめに手入れをすればいいのです
綺麗な花を咲かせるのが
僕の夢です

僕は
前から林に行きたい 林に行きたい と思っていた
但し 
面倒な事に林に行くには4回山を超える必要が或る
僕は最初の山で 鏡の魔物に遭遇し
あらゆるコマンドを駆使して闘ったけど
結局駄目だった
それをシンは自分の力が足りなかったからだと 
今でも気にしている
僕は仕方なないから今は谷の奥底で生活している
変った植物が沢山育っているけど
それはそれで なかなか住み心地が良い
ただ 谷の住民は 変な宗教を信仰しているので
あまり関わらない方が良いみたいだ

僕は当初 林の中で胡麻を栽培する予定だった
あの林の土地はなかなか良い土壌をしている
だから 僕もそこで一旗あげようと思ったんだ

だけど駄目だった
シンはそれを慨いていたのか
僕が鏡の魔王にやられた報告をしたら 
言葉に詰ってしまった。

僕は 今もシンに胡麻の正しい作り方を教わっている
最近は出来るだけ綺麗に栽培するのではなく
とても厳しくしつけを行う事に専念している

谷に集まる人の作る胡麻はどれも個性的で
たまにカレーの味や 
パチパチ弾ける胡麻を作る人も居る
これを 谷の住人に見せても
変な宗教のせいで 捻くれた思考を持つので
これまた相手にしてはいけない
同じ谷でも 少し離れたところに居るトカゲは
なんであんなに魅力的なのかはわからないが
たぶん宗教にかぶれなかったからだと思う

谷でみた胡麻を 写真にしてシンに見せた
どれも素晴しいといっていたが
缶詰になっていたのはどうも理解できない 
汚いと言っていた
僕は単につまらないと思っていた
テーマパークの門に飾られたのが面白かったが
シンは これは胡麻じゃない 
コンソメだと言い切った
そうか コンソメだったとは・・・
僕が悪い胡麻に冒されていないと知って シンは

「君はよかったね 林ではこんな経験できないよ」

と いつも言う
もう耳にタコですよ
でも僕が 
本当は林に行きたかったのを知っているのは 
シンだけだから
今でも気にしているみたいだ
シンは最初

「お前が林に行くには もう間に合わない」

って言っていたけど
一緒に頑張る事を決意したので 
自分の責任にも感じているみたいだ

捻くれもののシンは
本当は優しいのです

雨のにおいがありますね
あれはどういうわけか
降った所のにおいを 強調させるではないですか
あれが臭くて
私には何とも肯定のしようがありませんね

突然の夕立に襲われた時は
友達ときゃあきゃあ言いながら帰りましたし
先生と喧嘩して飛び出して
近所の本屋に行った時もズブ濡れでしたし
好きな娘と一緒に帰ったときも
アスファルトが異常に臭かったですし
待ち合わせの時も
傘に降る雨がうるさかったですし
公衆電話の話も
聞きづらかったですし

そうですね

雨は好き(くさい)です

僕はあえて「素敵」と漢字では書きませんよ
もともと素敵って言うのは 逆の意味なんだそうです
目の敵にしている相手に言う言葉
だから 今ではいい意味なのに 
「敵」なんていう字が入ってる
僕はですね 僕がステキだと思う人に
「敵」なんて言う字は使いたくないので
漢字では書きませんよ 
誰が何と言おうと書きませんよ

そのステキな人なんですが
飼っている手のひらサイズの松下さんが
体調を崩したので
コレはどうした事かと僕に相談してきました
医学知識が豊富な僕は アドバイスをしてあげました
きっと松下さんは白内障だ と
それを信じたステキはな人は
早速目の中の白内障を ハケで取ってあげました
するとどうした事でしょう
松下さんは元気になりました
あんなに 字が読めねぇ 字が読めねぇ 
うひぃ~ん ういうい
と言っていた 松下さんがですよ!
コレには僕も感動しました
松下さんは 今日もいい声で歌を歌います
ああ なんて心に響く声なのでしょう!

そんな 奇跡が起きた日から1ヶ月
松下さんは死んでしまいました
ステキな人は 床に額をなすり付けて
ららららら……と 泣きじゃくりました
僕は 今まで誰かが死んで涙を流したことは
ありませんでしたけれど
本当は心臓の中で涙を流していたのです
もう 松下さんの歌声は聞けない
笑顔も見られない
松下さんは ステキな人の手の中で
静かに息を引き取ったそうです
その顔は 笑顔に溢れていました
松下さんも 短い間だったけれど
こんなステキな人のために 歌い続けてきたのだから
幸せだったに違いありません

松下さんを思いながらも
ステキな人には 
手のひらサイズの人が居ないと困ってしまいます
僕は ポータブル人間の種類について 
ステキな人に教えてあげました
でも
ポータブルってよく言うけど何?
と言われたときは
ココまでステキな人だったとは思いませんでした!
僕は喜んで 手のひらサイズの人々は 
実はポータブル人間なのだよ
と言う事実を ステキな人に打ち明けました
今ステキな人の手の中には
目の付け所のいいポータブル人間が居ます
この 目の付け所のいいポータブル人間は
ありのままの事を 全て伝えるのが特徴です

先日
僕はステキな人に 今まで御世話になったお礼をしに
赤い魚の鱗で出来た絵をあげました
その絵には 材料に
「鱗」
と 書かれているのですが
コレ何て読むの といわれた時には
もう僕は どんなに 
このステキな人に惹かれたことか!
僕はもっと
あなたのそういう 純粋なところを見たいです
今まで このようなステキな人には 
出逢った事がありません
それは偶然
三角形の女が 餅を食べる女からとばっちりを喰らい
世紀の偉大なるおじさんを排除した
この地球始まって以来の 大惨事に見舞われた事から
全てが始まったのです

さて
今度はステキな人に
重たい石を 持って行って上げましょう

ぼくのヒーローはニンニクが大好きです
俺様は吸血鬼だと言ってる割りに
プロフィールの好きな食べ物の項目には 

ニ ン ニ ク 


満面の笑みを浮かべながら書きます
コイツ本当に吸血鬼なのかと疑ってしまったので
試しに十字架を見せてやりました
「気持ち悪いなぁ」
このとき初めて 彼が吸血鬼らしく見えたのですが
「だめなんだよ 
この交差しているところがどうもいまいちなんだ」
と 
気に入らない部分は別にあったようです
おまえ吸血鬼じゃないだろう!
って目の前で言ってやったのですが
俺は吸血鬼だ! 
の一点張りでなかなか本当の事を言おうとしないので
何で十字架が大丈夫なんだ?と訊ねると
小学校の算数の時間に
嫌になるくらい見せられて慣れてしまったそうで
何でニンニクが大丈夫なんだ?と訊ねると
修行時代のバイト先のイタリアンレストランの店で
知らず知らずのうちに慣れてしまったそうで
こんなのぼくが知ってるヒーローじゃないよ!
と言ったら
吸血鬼は下を向いてしょげ込んでしまいました
「何回その言葉言われただろうな…
俺様は吸血鬼の家系に生まれたのに
家族からも お前は変だって言われるし
学校の先生には 
このままでは将来が危ぶまれますって言われるし
俺はどうしたらいいんだ…!」
そう吸血鬼が叫んだ時 ぼくははっとしました

ぼくも
お前は魔法使いの家系に生まれておきながら 
魔法が下手だな
お前の魔法は トースターにも及ばん
魔法の出来ない魔法使いって何するんだ?
ぼくはふてくされて 
魔法なんか使ってやるもんかと思い
毎日先生の教卓で不貞寝をしてやりました

ぼくは 自分がこんなのだから
仲間はずれにされて 親にも見捨てられて
あげ句の果てには あいつは能無しのヤカンだ
と村から追い出され

だからヒーローが欲しくて 吸血鬼に出会った
でもヒーローは いっぱい努力をして
そのせいでニンニクが好きになり 
十字架には慣れてしまい
変人扱いされて 誰からも相手にされなくなった
ぼくは ただ自堕落な生活をして
ゴミ扱いされて 誰からも見捨てられるようになった

吸血鬼は 
そんなぼくの為にヒーローになってくれると言った
お前と俺様は似てると言ってたけれど
ぼくは一時でも
魔法が使えるようになろうと
努力した事があっただろうか
ぼくは彼を見習わなくてはならない
そうして 
今度は彼を助けてやらなくてはならないと思い
ごめんと言おうとしたその時には
もう吸血鬼はどこにもいませんでした

ほったらかしにしていたものがあります。
 それは干し芋です。
ん? なんか臭いぞ、と気付いた時には
 もう遅かった…。
とびだした縁側の先には
 カビだらけの芋が
だれか教えてくれたっていいもの
いくら何でもコレは
 郵便屋さんは
 気付かなかったのでしょうかね
すまないと思っていますよ
 芋には
きっと 怒っているだろうなぁ

海岸線をなぞる様に歩く
引き潮の海岸線はぼやけていて
何処を境目にして歩けばよいのか

迷う

引き潮である時間と
境目を見つけ出すために
彼女が先に付けていった足跡を
踵を合わせるようにして歩く
とてもゆっくりと

足跡は少しずつ
海の水が砂を持ち上げるので
浅く薄くなって行く
潮はあんなに遠くに行ってしまった

潮は僕らを呼んでいたが
昔の傷を思い出してしまう
潮に向かっては歩いて行けなかった

真夏
暗闇の中に投げ出された魚
潮は月に向かって行った
喜びを求めて
快楽を求めて

この浅瀬に打ち上げられた魚は死んだ

潮が戻ってきたときには
魚の目玉は赤くなっていて
鱗は水気を失っていて

潮は死んだ魚を海へと引きずっていった
しかし魚は息を返さない
世界は何も変わっていないけど
この魚が死んだのは事実だった
それからどんなに優しく波を立てようが
息を潜めようが

魚の肉は崩れ落ちて
ぬめりを残して海底の泥に溶けて行く

彼女は知らない
それで良いのだ
とても美しくて
時間を忘れさせてくれる潮
彼女の眼には
そう映っていればいい

魚を殺した潮だと知ったら
彼女はまた
泣いて過ごす日々を送るだけだ

でも僕は
この潮と
どう向き合えば
海岸線を決めて
そこから海に行かないようにするには

潮は
貝を集めようとしている
しかし一つも集まらない
僕は貝を一つ持っている
彼女も貝を一つ持っている

素直な旋律を
絶えず奏でる貝
潮は貝を手に入れられずに
大きな波へと変わった
足跡がズタズタに引き裂かれた

僕は彼女を抱きしめた
波の中に銀色に光るかけらを
見つけたからだ
真っ先に眼を閉じさせ
飛沫が当たらないように
僕は波に背を向けて
変わってしまった潮の香りを
嗅がせまいと顔をうずませて

頭の上を銀色のかけらは飛んでいった
死んだ魚の肉片だった

これが現実だ

そう思うと涙が止まらなかった
彼女は僕の涙を全部すくって
その白い服の胸元に染み込ませた

――冷たい…

彼女は僕に体温を分け与えてくれた
彼女の暖かい涙が
僕の胸元に染み込んでいった

潮は何もなかったかのように
彼方へ引いていった
次に満ちてくるまで
まだ時間がある

海岸線を東へ歩いて行こう

絵描きの塚田雅樹は
最近失恋したので
絵を書く気力がありません

師匠の小沢典之の話も上の空
元々塚田は
決まり事に則って何かやるのが嫌いで
小沢の言うことが億劫で仕方無い
神様の高畑浩二の事しか
塚田は信じられない

宮岡晴美と寺田由加のせいで
塚田は失恋のどん底である
特に宮岡には弄ばれて終わり
寺田は夜中に食べるクッキーが怖い
ただそれだけで断ったのである
塚田は誰も悪いとは思っていない
しかし何かに向かって腹が立っている

元田栄美は良い奴だ
しかし塚田が言うには
どうも遊び歩いているようだ
年上の男の名前がいっぱいあったし
いつも必要以上に胸をはだけている
そんなにでかくはないが
多少谷間がある

塚田はムラムラしていた
しかし塚田のムラムラの仕方は何か違う
その胸にムラムラするのではなく
どんな男が
今までその胸を触ってきたのか
塚田は独占欲が強いのか

長島絵里香を
塚田は一生懸命わすれようとしている
長島は塚田にとって遠すぎる存在だ
長島に一度恋したせいで
長島の周りにいる白井花子や梅澤祐恵
この様な奴らに塚田の恋を全否定され
女性不信を発症した

これを長島事件とパパラッチは騒ぐ

白井はともかく梅澤は最悪な女である
梅澤には為田敬之という男がいる
何回も妊娠し掛けたが
為田は金持ちだから何でも処理が出来る

その梅澤がだ

塚田が長島に絵を贈ったことを
気持ちが悪い
吐き気がする

言い触らして歩いたのだ

塚田は沼尾宗一の言葉がなかったら
今頃首を括っていたに違いない

そんなこんなで
今塚田はぼろぼろなんです

誰か塚田に
頑張れ
って声を掛けてやって下さい

ねぇ
わたしは
どうしたら
あなたをすきになることが
できたのでしょうか
いちどはすきになったけど
あのときのきもちは
もういまは
どこにもないのです

わたしがあなたをすきなとき
あなたはわたしをすきではなかった

あなたがわたしをすきなとき
わたしはあなたをすきではなかった

どうしてこうなってしまうのでしょう

いま
どんなにがんばっても
かなわないこいをして
いま
どんなにすきでいても
てのとどかないひとをすきでいて
こんなに
こいしいきもちがあるのに
それはなぜ
あなたにむかないのでしょう

あなたはとつぜん
ひとがかわりすぎた

わたしは
あなたがわたしをすきになったわけを
おしえてほしいのに

わたしがあなたをすきだから
あなたはわたしをすきでいる

わたしがあなたをすきでなくなったら
あなたはどうするつもりなの

わたしはあなたが
わたしをすきになってくれるのを
ずいぶんまちました
でもこたえは
なかったのです

あなたは
とつぜん
わたしをすきになった

それは
なにか
ほかを
もとめているのですか

それは
なにか
いっしゅんを
みたしたいためなのですか

わたしには
あなたの
かんがえが
わかりません

ぜったいに
ひきあわない
なにかが
わたしにはあるのでしょうか

ほうっておけば
ひっくりかえって
くっついてしまうなんて

わたしはこわいです
そんなことでは
ほんとうにあなたを
すきになることができないから

いっしゅんの
ぬくもりを
もとめないで

ながいあいを
もとめてください

おまえ
明日俺の貸したサンダルを返せ
近いうちにな
かならずだっぞ

ようは大泉順次はコレを言いたかったのである
しかし彼は世界新聞にも載ったほど
計算高いことで知られるのである

その日僕は何を思ったか
順次の垂らしているルアーを引っ張ってみた
なに
毎回のこと
くだらない話を聴かされるのだ
しかし僕は順次の話を聞いていて
何か得をしたことがあっただろうか
この前はデブ男の脂肪吸引を最速でこなして
男を救ったことを自慢してきた

こんな解りきったことを自慢してくるのは
奴がとても小さな男だからである
身長が実際に小さいのは別として
あの男は
フグリ以外は全てが小さい

フグリが解らない奴はググレ

計算高いのは物事への事象のみにならず
おつりの計算も
一円たりの損得を許さない

しかも
それは順次が誰かに誘われたデートでもそうだ
そういうことをするのは決まって

自分の好みではない女から誘われたが

セックスだけはしたいと言う欲求があるときだ

順次のこのような行動は
はたまた世界新聞で大々的に取り上げられている
僕はこの被害者の女性にコンタクトを取ったことがある
酷いものだ
とりあえず彼女には恐怖心及び
男性不振というトラウマが植えつけられた

あいつのサンダルは
5年前にブームが終わったものだ
そういうものを多分奴はわかっていながら
僕に貸して
それの使い心地を試させたのだ

あいつはそういう男だ

今日
僕は一つ勉強をした

石が転がっている

それを右手で拾い上げた瞬間
左腕が吹き飛ばされた
後ろから腕を飛ばして行った車は
気が狂ったように走り去った
その後を前のめりになってもう一台の車が追う
連れていた犬も車を追って走り去っていった
少しして帰ってきたら
その口には飛ばされた僕の腕がくわえられていた

そして右手で握っていたはずの石は
どこかになくなっていた

左腕の無い一日目を迎えた
体が軽くなったので
今日はスキップで犬の散歩をした
また昨日の場所に石が落ちていた
拾い上げた瞬間に車が走り去った
だけど腕は既に無いのでぶつかりはしなかった
するとどこからか別の石を当てられた
頭から血を流しながら家に帰った

左腕の無い二日目を迎えた
昨日の道は通りたくなかったが
犬が勝手に行ってしまったので
今日も同じ道を歩いた
腕が飛ばされた場所の手前で
犬がフンをした
それを処理する僕の後ろを
気が狂ったように車が走っていった
その後を前のめりになってもう一台の車が追う

犬のフンの処理が終わったと同時に
ものすごい爆音がした
さっきの車がひっくり返って爆発していた
運転席からは頭から血を流した男が
腹を捩らせて死んでいた
後を追っていた車から人が降りてきて
燃える車の前で喜びの唄を歌っていた
歌っている男の手には昨日の石が握られていた

気になったので
その石を左手で取り返した

次の日
また同じ道を通った
一台の車がゆっくり走っていった
右をみてみると
男がしゃがんでいて
ニッコリとこちらに微笑みかけていた

炭になった昨日の燃えた車と人を
喜びの唄を歌いながら
誰かが踏み潰していた

僕は左手で
彼に手を振った