Trio for Violin, Violoncello and Piano
“Billedbog uden Billeder”
アンデルセンは言わずと知れた、デンマークの有名な童話作家です。この曲を作曲するにあたって取り上げた”絵のない絵本”も、数多くの翻訳がされ、世界中で読まれている作品です。幸い幼少の頃多くの童話に触れることがありましたが、とりわけ印象的だったのがこの作品でした。
”絵のない絵本”は、屋根裏部屋に暮らす画家へ、月が見てきた世界のいろんな風景を語るという流れで、33夜の物語からなります。そのどれもが、言葉一つ一つが絵筆についた絵の具となり、頭の中に描かれてゆくような繊細な表現で語られてゆきます。
数ある夜の中から、3,5,8,16夜を選び抜きましたが、厳密にその”夜”の世界観を再現したものではありません。
取り上げた4夜を含め、”生と死”を描いた話が多いです。
生きることを素直に喜んだ話、生きるが故の辛さの話。
悲しく辛い死に対して、素晴らしい人生の末路にある穏やかな死、など形は様々です。
“生と死”そして”喜びと悲しみ”。それらが混ざり合ったり、対比しているこれらの作品の世界観を、作曲においては和声であったり構成として、私なりに落とし込みました。
1.絵のない絵本
2.第3夜: 或る女の一生
3.第5夜: 戦争で散った、息子の命の影を追う老女
4.第8夜: 月が見えない夜
5.第16夜: 道化師の恋
Composer | Hiroki Ohnuma |
Movements |
5 Movements
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Year/Date of Composition | 2016.04-2017.02 |
First Performance | 2017.03.09 杉並公会堂小ホール 武井善哉, violin 浅井智佳子, violoncello 齋藤誠二, piano |
Average Duration | 17 minutes |
Piece Style | Modern |
Instrumentation | Violin, Violoncello, Piano |